ライクサムワン・イン・ラブ

9月23日『ライクサムワン・イン・ラブ』18:30開映 舞台挨拶(登壇者:加瀬亮)に行って来ました。
上映前の舞台挨拶だったので、ネタバレをしない程度にアッバス・キアロスタミ氏の他作品を例に挙げて加瀬さんが作品について語ってくださいました。
具体例を挙げてくださったのは「桜桃の味」です。桜桃の味の演出もにくいものがあり(一先ずそこは省きますが。)、緩やかなコースターみたいに最初は平坦だったものが一挙に加速づいて常識を覆すような一瞬の出来事に繋がるというようなニュアンスでの作品説明とあらすじを説明してくださいました。そして今回の映画にもその要素が含まれていて、役者、美術、映像とそれぞれでキアロスタミ氏の世界観と言うか見えている世界が合ってそれをポートレートにしたような映画と表現するのを加瀬さんは選んだようです。
この事前の回には上映後トークショーがあり、そちらでは加瀬さんが友人に「迷惑」と言われながらも夜中に思いつくたびにメールをしたものをプリントアウトしてきてそれを見ながらこういうことなんじゃないかと加瀬さんの言葉で加瀬さんの役者からの見解を聞けたそうです。そのときにくしゃくしゃとプリントアウトしたものをポケットから出して読み終えるとまたポケットにくしゃくしゃとしてしまう加瀬さんが居たそうでその話を聞いてなんだか加瀬さんの人柄が穏やかな面も持っているのだなぁとそんなことを思いました。
そして、感想はネタバレ気味かもなので隠し進行で。



既視感を覚えた。探るような視線を向けたのも向けられたのも自分かもしれない。
ガラスの向こうからのその視線をどうしてあのときすんなりと中に入れてしまったのだろう。
私は、彼を知っている。彼が私を疑わない程度に私を知っているように。
そしてそのガラスを破ったのは紛れもなく私だ。

と言う抽象的な感想しか今は描けない。
それが少しだけ悔しい、そんな映画だった。

わたしは高梨さん演じる明子をフィルターとして奥野さん演じるタカシと加瀬さん演じるノリアキが対峙する映画なんだとそう認識しました。
フィルターを通して彼らには何が見えたんだろうとそんなことを思うと上記のような抽象的な感想となりました。はい。