春琴 感想

春琴に計5回行ってきました。
一度目は再演を思い返しながら観て、二度目は深津さんの動きをとにかく追って、三度目は全体を観て、四度目・五度目は個人的に好きなシーンまでぼやけた世界の中に溶け込んでいくような感覚で観ていたら溶け込んだ先は精彩に富んだ世界で圧倒されました。
深津さんの人形遣いが再演よりも数段上っていて、いい意味で遠慮が無くなったと言うか。
所作もとても厳かで、且つ綺麗で本当に眼福でした。深津さんって割と大雑把なので姿勢はきれいなんですけど・・と思うことがときどき合ったんですけれどこの舞台はそういうことがなかったです。
あとは何と言っても声ですね。わたしが思う限りでは4回の段階が合って、深津さんはもう少し段階を割っているかもしれませんけれど、今回はそのどれもが無理のない出し方で、再演時は幼少のときの声の出し方があんまり好みではなかったんですけれど今回は本当に隙のない私的に非常に好きな出し方でした。
と、こんな下手な感想を述べるよりはそっと胸にしまっておきたいそんな舞台です。はい。


ただひとつだけ。
『佐助は春琴を好きだったのだろうか?』
と毎回思っていたんですよ。
長生きだし、それだけで量れるものじゃないと思うのですがどこかひっかかるものが合って、でも春琴を夢で追っていたような佐助の場合は・・・と言うくだりが合ってそこで「ああ、そうか」とも納得をしつつ、やっぱり未だひっかかっている感じです。


ああ、いい舞台でした。
台湾公演の成功も祈っています。