俺の家の話 シナリオブック

俺の家の話のシナリオブックを本屋から取り寄せをして、10日に取りに行った。
最初はAmazonとかでポチるか~と思っていたんだけれど、届くのが発売日からはるかに先の日付を示されてしまったのでhontoを駆使して、東京駅近くの丸善に取り寄せをした。
思えば、水橋さんの「かさだかな日々」もここで札幌のどこかから取り寄せをした。わたしの中で脚本家の書籍を取り寄せする「運」のある本屋なのかもしれない。

カバーをかけて貰って、帰途はいつの間にか開通していた有楽町駅までの地下道を歩いて帰る。
Oazo東京の地下は駅に直通している。東京駅丸の内線側だ。そこから有楽町線有楽町駅果ては千代田線の日比谷駅まで地下道が開通しているのを知ったのは実はその日が初めてだった。
千代田線の二重橋駅から一度地上に出て、皇居を見て日の光を浴びてからまた地下へ潜った。
深々と少しひんやりとした空気が地下道には纏う。いろんな空気構があるけれど、日が射さない分きっとひんやりとしているのだと思う。俺の家の話のシナリオブックを持つのになんだかぴったりな道だなと思う。真っ直ぐに皇居の横を沿ってひたすらに開通しているそこは都営三田線日比谷駅辺りで少しだけ水道管のつなぎ目みたいな直角路があるけれど、そこ以外はずっとピンと芯の通ったような道だ。
なんだか寿一みたいな道だなと思う。実直で、少し陰気で、小振りながらどっしりとしている道は明かりが暗くもなく明るすぎずな道で人とのすれ違いも少なくてどこかほっとしたまま帰路に着いた。
道が寿一みたいってちょっとおかしいなと思いながら、わたしはすっかり俺の家の話の中にトリップしているんだろうなと思った。

でも、本屋から約1時間をかけて帰り着いて、鞄を置いたら目的を果たした気持ちが強くなってその日は本を開かなかった。
夕方に近かったから、夕ご飯の支度もあったけれど、昼間に捲りたいと思ったんだと思う。
観ていたのは夜なのに俺の家の話自体は昼間の縁側や中庭が似合うような話だったから。
その気持ちがあったのか、その日はとても早く寝て朝5時には目が覚めてしまった。布団を抜け出して明るくなってからようやく本を捲る。宮藤さんはト書きに心情を書かない人なんだなと思う。
いい意味で役者に台詞で託しているのだと思う。ストーリーや人物を描くのは脚本家だけれど、息を吹き込むのは役者だ。その人物が生きるのか死ぬのかは役者に託されているような気がする。
じっくり読み込むには時間が掛かりそうで、1日1話ごと読んでいくことにして、キャスト・スタッフのアンケートページへ飛ぶ。個性たっぷりで読んでいて面白いアンケートって早々ないと思うんだけれど、すごく面白かった。
長州さんは本当に真面目な方なんだなと言うのがあらわれていたし、西田さんはそこなんだなというチョイスで、戸田さんはなんか語録の片鱗が見えるところをチョイスしていてお茶目だなと思う。
アンケートをすべて読み終えて真っ先に思ったことはアンケートだけでこんなに涙腺が緩むことってあるんだなぁ。ということで、俺の家の話を咀嚼しきれていない部分もあるけれど、しっかりと沁み込んで自分の中で大事なドラマになっているんだなと思えた。
その気持ちを再確認出来た本だなと思います。
単行本も嬉しいけれど、文庫本になってもきっと買うだろうな。
持ち歩きたい世界が詰まっていて、そこに合う景色を見つけてみたい。
そんな本でした。