大恋愛 第6話

第6話を見た。率直な感想は尚が詰まっていた。見たかった尚が。
結婚をしたふたりが愛を紡いでいくしあわせなドラマだなぁと、思う。尚と真司のそのスタンスは変わらない。周りが少し掻き乱していくだけで。



いちばん最初に心に残ったのは引越し蕎麦を並んで食べるところ。尚の作ったお蕎麦が少ししょっぱいと言う描写。MCIの最初のテストの描写を思い出した。
梅、犬、自動車。3、5、2、9。
言えなかった最初に覚えた3つの言葉。
尚は料理の手順は身についているけれど、調味料をどのくらい入れたのかを忘れてしまうんだろうなと思った。わたしはそのときコーヒーを飲んでいて、じわじわと尚の病が進行しているんだと思うと味がしなくなった。
そうしたら、尚も味が分からないと画面の中で言っていた。味覚から犯されていくと言うのは、食から生を奪っていくことなんだなと思った。さらりと描かれていたけれど、その内にアップルパイの味も分からなくなってしまうのかな。明るく過ごしている尚の顔がこれ以上曇らなければいいのにと思った。

それとは別に今回は尚が医師だったのが嬉しかった。医師姿の尚をずっと見たかったから。
想像では、尚は内科医寄りの産科医なんだろうなと思っていたから、外科手術にも立ち会って、病院勤務もしていたことを知れたことが単純に嬉しかった。患者の立場を理解するタイプの医師と言う描写は訴訟騒ぎのときにあったけれど、それ以降はなりを潜めていて、医師としての尚はもう生きていないのかなと思っていたから余計に。
仕事面から見たアルツハイマー病と言う描写はたぶんこの先少ないのだろうなと思う。
カルテ整理くらいだと言っていたし。
そうなると、尚の日常は益々、真司しか居なくなるのかなとも思って少し怖いなとも思った。真司はそれをよしとはしないで欲しいとも思う。

真面目に思ったことをつらつらと書いたけれど、6話はそういうことを考える機会が多かったと思う。

尚と真司の日常にMCIはもうセットなのだから、受け入れていくしかないのかなとは思うけれど、進行の度合が分からないのは本当に怖いなと思った。

と、ここまで書いて気づいたけれど、わたしはこのドラマをヒューマンドラマとして見ているんだなと思った。
勿論、恋愛の側面で、ああ、尚かわいいなと思ったりすることも多々あるけれど。
先ず病気に視野が向かってしまうのは、わたしにもいま、向き合っているものがあるからかもしれないな。

今回、恋愛の側面から見ると、Twitterでも零したけれど、スーツを選ぶくだりはとても好き。
一般的に女性は人に物をたずねるとき、答えが決まっていると言われるけれど、真司への恋と愛に生きている尚はたぶん、真司が好きな尚は真司だけのものと、考えていると思う。

あと、変顔フォルダ作っちゃう尚とか、振り向き際のちゅーとか、がんばってと声に出さずにそっと扉閉めたり、食卓に並んで座るのを見るのがすごく好き。
2人が顔を向け合うことも多いけれど、並んでいるのが、同じ方向をいま向いていて、時折お互いを見て愛を育んでいる気がするから。
向かい合うより並んで座るのを見るのが好きなのはたぶん、わたしの実家の父母の席がそうだからな気もする。向かい合うより物理的に距離が近くて、よく仲良しっぷりを見せつけられるんだけれど、尚と真司の距離もそんな感じがするから、ふたりの食卓がカウンターテーブルなのが、本当にとてもしあわせだなと思う。日常に転がっているしあわせだなと。

そして(まだ続くのか)、公平が尚と真司を掻き乱していく役で登場したけれど、わたしはなんだかあの人憎みきれないのかもしれないなと思った。あの人、たぶん、尚が真司と出会わなかったとしたら、尚がああなっていた可能性を捨てきれないから。まぁ、どうなるのか分からないけれど。
でもやっぱり尚のIFかもしれないとは、思う。

うん、7話楽しみにしています。はい。